タイム / ピンクフロイド(1973年)


倦怠にまみれた一日を刻む時計の音  お前はただ無駄に時間を浪費していく
小さな部屋を怠惰に寝そべったままで 「導いてくれる何か」をひたすら待っている
妄想と自慰に飽きて 尚も家の中から外の雨を眺め続ける日々
若いお前にとって人生は長い 一日を無駄にしても時間は有り余る

ある日 10年が過ぎ去っている事に気付く
いつ走り出せばいいのかなんて 誰も教えてはくれなかった
お前はスタートの合図を聞き逃していたのだ

太陽に追いつこうとひたすら走る
地平線の向こうへ沈んだかと思った太陽は お前の背後から再び姿を現わす
相対的に太陽の位置は一切変わっていない お前だけが年老いていく
やがて息は切れ 刻々と死に近づいていく  「もっと言いたい事があったはずなのに・・・」

毎年毎年 一年が短くなる 契機など一向に見つかりそうにない
お前の人生計画はすべて失敗に終わり 予定表はページ半分になぐり書きされた線と化す
お前は英国紳士らしく静かな絶望に身を任せるだろう
こうして時間は過ぎ この曲も終わりを迎える  「もっと言いたい事があったはずなのに・・・」